2024年7月11日 時点
(プログラムは予定です)
【受賞講演】ライフステージに合わせた栄養管理の重要性
【関連講演】高齢者のリハビリテーション・栄養・口腔連携の礎
【関連講演】サルコペニアとリハ・栄養・口腔・薬剤の連携
サルコペニア・悪液質はがん患者の予後を規定することは明らかであるが、手術や化学療法の成績向上や担がん患者の生活の質を改善するための早期の診断法や適切な介入法については、未だ標準化された方法はない。 本セッションではサルコペニア・悪液質の診断とこれらの治療における新たな知見や各施設の取り組みをご発表頂き、総合討論では栄養管理を中心とした総合的な治療や介入の観点から、様々ながん治療の場面における最適解をご提案いただきたい。 |
重症患者において、栄養管理を行うことで有益なアウトカムが得られることは多く報告されているが、栄養障害に進展しやすい栄養リスク指標は病態ごとに多岐に渡る。栄養アセスメントおよび栄養投与方法の選択において、循環動態や消化管機能、併存症の評価に加え、サロゲートマーカーが有益な情報を提供するのか、リスク評価とその成績を呈示いただき、それぞれの臨床的な有用性と特性などについて議論したい。 |
低栄養診断の世界標準として世界の主要栄養学関連学会が協力して開発したGLIM基準を用いた栄養評価が令和6年度診療報酬改定で回復期リハビリテーション病棟において義務付けられた。当学会でもGLIM基準を日本の実臨床の現場で定着させるためにGLIMワーキンググループを立ち上げて、現在活動している。このシンポジウムでは各施設でGLIM基準を用いるためのシステム構築、スクリーニングやアセスメントの実態、GLIM基準による低栄養診断の活かし方など、日常の医療の中にどのように定着させ、活かしているかを報告していただく。我が国でのGLIM基準の活用はまだ始まったばかりで課題も多いが、参加者にとって有益なセッションにしたい。 |
準備中 |
病院完結型から地域完結型へと医療制度が移行する中、薬剤師同士のシームレスな薬物療法、栄養療法の支援・連携が必要不可欠であり、薬剤師共通の使命である。地域完結型医療の実現には、薬学的ケアのみならず栄養治療を実践することのできる薬剤師の養成が喫緊の課題となる。薬剤師に対する臨床栄養教育には、高度な栄養治療に関する知識と薬学的知識を融合させる臨床力が求められる。そこで、本パネルディスカッションでは、各疾患・領域の認定薬剤師、NST教育認定施設の指導薬剤師、そして次世代を担う若手薬剤師の見地から、薬剤師の臨床栄養教育に対する教育機会の重要性や栄養管理を実践するために必要な薬学的知識について議論し、薬剤師が目指すべき臨床栄養教育の標準化につなげていきたい。 |
看護師は臨床で栄養治療に関わる場面が非常に多い。しかし、管理栄養士や薬剤師・療法士など専門職が多くいる環境であればあるほど他職種に依存し機能分化が進む傾向がある。チーム医療の推進とは各専門職に頼ることではなく、それぞれが最高のパフォーマンスを持って多職種で他職種と連携することが重要である。栄養管理においてはその範疇が広く、単一職ではカバーしきれないことから看護師も他職種任せではなく積極的な栄養管理への参画が重要である。看護師が栄養治療の根本である栄養管理やNSTに積極的に関わるためには、知識・技術の普及のみならず、そこにかかる時間を作るための環境調整や勤怠管理なども含めた看護管理も必要である。現場の熱意だけでは栄養治療を支えることは困難であり、組織的に関わるためには管理者の協力や現場の理解、教育・マネジメントが重要である。現場でのスペシャリストからそれを支援する看護管理者、それぞれの分野から取り組みの報告と情報を共有し、看護師が行う栄養治療の支え方について議論したい。 |
がん治療における標準治療は、手術、化学療法、放射線治療を軸として行われるが、手術後の術後障害、化学療法や放射線療法の有害事象はQOLやADLの低下を招く。緩和医療においても疼痛やがん悪液質は食欲低下を招くため、栄養治療は種々のがん治療や緩和医療における支持療法として重要である。嘔気・嘔吐、味覚異常や口腔粘膜炎、下痢、便秘などの諸症状に対する静脈栄養・経腸栄養に加えて、食欲不振に対する食事調整は、栄養状態の改善のみならず、QOLの向上にも寄与する。本パネルディスカッションでは、術後障害、化学療法・放射線療法の有害事象、そして緩和医療など様々な状況における栄養管理の取り組みと、食事摂取量の低下を来す症状に応じた食事調整の進め方について討論したい。 |
術後回復促進策Enhanced Recovery After Surgeryは、術前術後の栄養療法やリハビリテーションなど多くの要素で構成され、多職種が連携する集学的な周術期管理プログラムである。プログラムの中でも、術前飲料の摂取は、患者にも医療従事者にも、術後回復促進にも様々な効果が示されている。日本麻酔科学会からも2012年に絶飲食のガイドラインが公表され、わが国でも術前飲料の摂取が許可された。しかし、未だ、多くの施設においてガイドラインに沿った術前までの摂取ができていない現状がある。本セッションでは、プログラムを既に実施している施設から術前飲料摂取に関するエビデンスを発信していただき、わが国のよりよい周術期管理のために、術前飲料摂取が持つ可能性を議論したい。 |
すでに船出をした早期栄養介入管理加算は、2022年度に改定されICU以外の病棟でも算定可能となり、また経腸栄養が開始されなくても診療報酬が加算されることとなった。対象が広がり新規に算定を開始された施設もあろう。より管理栄養士の役割が増すわけだが、入室後48時間以内という縛りのための人員確保はできているのだろうか。また、経腸栄養開始後のモニタリングや多職種カンファもただの業務と化していないであろうか。本パネルディスカッションでは、漂流しているかもしれない新規導入施設から展望や課題を、先進的な施設からは実際の早期栄養介入のアウトカム、院内体制構築のコツなど羅針盤となりうる情報を提供していただき、多職種クルーで討論する時間としたい。 |
高齢化が進む我が国の急性期診療では原病による諸症状やその治療過程を経て低栄養に陥り、治療後のADL低下を来すことが問題となっている。解決策としては、誘因となる低栄養対策だけでなく、治療早期からのリハビリテーションが診療報酬制度でも体制加算として高い評価を受けている。加算の対象が急性期診療に広く求められている現在、予備軍を含む低栄養の背景には個別性が高い中で、特定栄養素のon/offなどの単純な介入ではなく、適切なタイミングでの評価と計画を繰り返す栄養治療が必要である。 今回のパネルディスカッションでは、主に急性期診療でのリハビリテーションのアウトカム達成に向けた栄養治療の工夫について、多職種の視点を交えてディスカッションし、明日からの実践に向けたヒントを得たい。 |
準備中 |
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臓器移植及び造血幹細胞移植を受けた患者は骨髄抑制、免疫抑制に加え、口腔粘膜や腸管からの吸収障害などの有害症状が出現し異化が亢進するため、適切な栄養管理を受けなければ容易に低栄養となり、感染症や臓器障害などの合併症を招く。また、長期間の絶食を強いられ、食事が開始となった場合も低菌食とするため、生ものなどが制限され、食事がマンネリ化し食思不振となることが多い。一方、免疫抑制との兼ね合いで、血糖管理も重要である。患者のQOLを考慮した栄養管理についてディスカッションしたい。 |
呼吸サルコペニアという概念が提唱され、診断基準も提示されたが、一般臨床において普及が十分ではなく、適切に評価されていると言えない。JSPENとして呼吸サルコペニアへの関与、介入は如何にあるべきか、討論を期待したい。 |
肝臓・胆嚢・膵臓は栄養代謝に深く関わる臓器であり、肝疾患患者においてサルコペニアは予後に関わる重要な病態であるため、サルコペニアの予防や改善に有用な栄養療法と運動療法がこれまで論じられていた。また、膵臓も内分泌・外分泌能を有する重要な臓器であり、術後や急性・慢性膵炎では様々な代謝異常が生じるため、その病態に応じた栄養治療が重要となる。本セッションでは、肝胆膵領域における様々な疾患や周術期における栄養治療の実際や有用性、課題などについて論じていただきたい。 |
救命救急および集中治療領域では、急性腎障害(acute kidney injury、AKI)は頻繁に遭遇する疾患群である。AKI患者では急性血液浄化療法と薬物療法を加味しながら、適切に栄養リハビリテーション療法を行うとともに、急性血液浄化療法に伴う電解質異常のコントロール、末期腎不全への進展予防、生命予後の改善をめざす必要がある。本ワークショップでは、AKI患者に対する栄養リハビリテーション療法の重要性を紹介するとともに、血液浄化療法を行っている際の薬物療法、水電解質管理や経腸・静脈栄養のポイント、栄養評価法などについて、各演者から最近の進歩について発表いただく。 |
切除可能がん患者に対する術前治療や根治切除後の補助療法の有効性が示され、周術期の栄養管理の重要性が報告されている。近年では、切除不能の高度進行がんに対する化学療法や免疫療法、粒子線治療を含む放射線治療等を用いた集学的治療の有用性も報告され、奏効例に対する積極的なコンバージョン手術も選択肢の一つとして考えられる時代になった。高度進行がんに対する薬物・放射線治療中の栄養状態や、外科的切除介入例における術前の栄養状態が重要な予後因子であることも報告されており、集学的治療中の適切な栄養管理・介入が治療成績向上に必須であると思われる。本セッションでは、様々ながん病態や治療法に応じた各施設での取り組みについてご発表いただきたい。 |
心不全患者において、心不全にともなう代謝異常によって栄養障害・体重減少を認める状態は「心臓悪液質(カヘキシア)」と呼ばれ、予後不良である。しかし、ESPENが低栄養の心不全患者に対する栄養管理の必要性は指摘しているものの、その有用性に関する報告は少なく、本邦の診療ガイドラインにおいても栄養管理に関する記載は乏しいのが現状である。一般的に心不全の栄養管理=塩分制限とイメージされることが多いが、過度な塩分制限によって食欲が低下し、さらなる低栄養を招く恐れもある。急性期から慢性期、さらには入院から在宅に至るまでの心不全患者への栄養介入のタイミングや方法、ポイントなどについてディスカッションしたい。 |
地域での多職種連携は患者が退院後安心して暮らせる健康な地域社会・街づくりのために重要である。しかしコロナ禍においては多職種連携がかなり困難な状況となり、それぞれの施設や地域で工夫を凝らして栄養支援を実践されてこられたのではないか。コロナ禍が終焉した現在、コロナ禍を乗り越え、その経験を活かして、より進化したポストコロナ時代の地域・施設での栄養支援についての取り組みや目標についてご発表いただきたい。 |
1症例の栄養治療リハビリテーションを、時系列での対応の変化を意識しながらPT・OT・STの病態変化に応じた介入の実際や各職種の強みに対して解説する。その中で、どの職種とどの時期にどのように協働するのがシナジー効果が高く、一番患者さんに取って利益が大きくなるのかを模索したい。また、看護師からPT/OT/STに期待する部分やタスクシェアにつながる部分を解説していただくことで、栄養リハビリテーションにおける多職種連携のあり方を提案したい。 |
2024年度の診療報酬、介護報酬改定において、口腔・栄養・リハビリテーションの一体的取り組みが議論された。今後ますます注目されていくであろう、口腔・栄養・リハビリの三位一体の取組について、現在での研究・臨床での立ち位置について議論したい。急性期から生活期における一体的取組のフィールド・スキーム・アウトカムについて、今までのリサーチエビデンスを整理するとともに、臨床現場における一体的取組の実践方法や実践の障壁となりうる課題を抽出して議論していく。 |
本セッションでは、周産期の栄養管理について、妊娠中から重症疾患を有する新生児の栄養管理まで幅広いテーマを取り上げた。この分野において第一線でご活躍いただいておられる先生方に、小児栄養管理に携わる医療従事者に、ぜひ知っておいてほしい最新の知見をふまえ、栄養管理の現状や課題をご紹介していただき、このセッションが今後のこの分野の発展につながることを期待する。 |
脊髄損傷および脊椎疾患の患者は近年増えている。また、低栄養、過栄養・肥満、サルコペニア、サルコペニア肥満を認める患者は少なくなく、臨床栄養やリハ栄養で重要な疾患であるが、脊髄損傷・脊椎疾患がこれまでJSPENで取り上げられることは少なかった。脊髄損傷・脊椎疾患に対する臨床栄養とリハ栄養の取り組みや臨床研究の演題を募集し、現状、課題、展望を共有したい。 |
腸管不全の治療は、多職種での腸管リハビリテーションを含めたさまざまな集学的治療を行うことで、大きく改善してきた。近年、さらに新規薬剤の登場などにより新たな治療戦略も可能となってきているが、予後は未だ満足出来るものではない。小児から成人における腸管不全の栄養管理・腸管リハビリテーションの現状と課題について討論する。 |
いまや、褥瘡栄養管理は特別なものではない。どんな医療の場でも、医療従事者の年代に関わらず実践される標準的な栄養管理となった。これを10年後、20年後に繋げるため、「今」臨床で褥瘡栄養管理を行っている若手に、「今」困っていること、もっと勉強しておいたらよかったこと、医療従事者の考え方の違いやコミュニケーションの取り方など、「今」の課題をどう解決しているのか発表していただき、学会員で共有することがこのセッションのねらいである。すでに十分な褥瘡栄養管理のご経験のある学会員の皆さまには、「褥瘡栄養管理を将来に繋げるため」に教育的視点からsuggestionをいただき、実りある意見交換を行いたい。 |
小越章平記念 -Best Paper in the Year-、国際パネルディスカッション、
特別企画、共同企画セッション、JSPENスカラーシップ賞受賞者講演、
YOUNG INVESTIGATOR AWARD、一般演題、共催セミナーなど